お題配布元:文章修行家さんに40の短文描写お題

00. お名前とサイト名をどうぞ。また、よろしければなにか一言。
プカプカ@成瀬彩葉です。最近、成瀬の存在意義がフーゴか三沢程度しかない気がします。
とりあえず頑張ります。


01. 告白(ストオル)
お前なんて嫌いだ。大嫌いだ。
だってお前、俺の事なんてちっとも見やしないじゃないか。
俺は誰よりお前にこっちを向いて欲しかったのに!


02. 嘘(松アキ)
俺やカオリと話すとき、触れるとき。
あのひとが俺たちに向ける視線は、いつだってサングラスの下に隠されていた。


03. 卒業(ユンレイ)
あんたがこうやって、自信に満ちた顔で一歩踏み出す姿が見てみたかった。
自分の道を歩み始めたはじめての門下生たちを見送りながら、あたいは一人思った。

04. 旅(マドキド)
道標など必要ない。切り開けばいいだけだ。
それぐらいの覚悟がないと、アイツには絶対に追いつかない。


05. 学ぶ(高原とオブライト)
「アイツらが教えてくれた拳の熱さが、技の重みが、戦いの記憶が、俺の体に染み付いてんだ。
 力で叩き潰してきただけのお前に、この思いは絶対に破れねえ!!」


06. 電車(カトキュ)
地球に帰ったら、一度君を連れて遊びに行こうと思ってるんだ。
飛行機に乗って、電車に乗って、船に乗って、世界中を見て回ろう。


07. ペット(プロオディ)
我が主が忌む人間などいらない。我が主が呪う世界などいらない。
だから私は全てに終わりを告げる。それこそが私の忠義の証。
それはただただ、私に触れるあの温もりのため。


08. 癖(ナム高)
「やべぇ、ティッシュの箱見つかんねー」
「あ、こっちにあるよ。ほら」
「お前それ足で掴むなよ!?」
「だって足の方が早いし。僕、大概の物は足で掴める自信あるね」
「どんだけ足癖悪ぃ育ち方してきたんだよ」


09. おとな(坂おぼ)
おぼろ、とあの人が拙者を呼ぶ。
あの人は決して「おぼろ丸」とは呼ばない。ただ、おぼろ……と。そう言うだけ。
むず痒い何かがじわりと胸に広がる気がした。

※名前の後ろに付く「丸」には子供みたいな意味があるそうです。某Kさん情報。


10. 食事(最終編)
「あいっ、あいあい、あいいーっ」
「ん、これが食える草か。で、こっちが毒なんだな?」
「……今ほどポゴ殿が仲間で良かったと思うことはないでごさる」
「アキラが居ないと話になんないのが難点だけどねぇ」


11. 本(リーオディスト)
「どうした、いきなり焚書など。芋でも焼くつもりか?」
「まさか。思っていたより詰まらなかったから処分していたんだ。
 あれは随分と面白そうに読んでいた気がしたんだが」
「あの鎧人形がか?」
「……さて、誰だっただろうな。もう忘れたさ」


12. 夢(カトキュ)
私の目に映る全ては画素だけど、私の耳に入る全ては周波数だけど、
私もあなたと同じものを感じていると信じてもいいですか。
おとうさんと同じように生きたいと望んでもいいですか。


13. 女と女(カオリと妙子)
お兄ちゃんは妙子さんが好きなのかな。
そうだったらいいなと思う。
だってそうすればお兄ちゃんは妙子さんから離れない。
ここから出ていかない。
私からも離れない。


14. 手紙(ユン高)
拝啓、天国のお師匠様、レイさん、サモさん。
こんなに胸が高揚する何かには初めて出会いました。
このまま突っ走っていいですか?


15. 信仰(ウラヌス)
信じるものは救われる。なら、信じないものはどうなるのだ。
最早人すら信じれぬ彼の心。神の救いは決して訪れないとでも言うつもりか。
鮮血の海の中で狂ったように笑う彼を見た瞬間、初めて神を恨んだ。


16. 遊び(リーオディ)
「まるで火遊びだな」
「……何がだ」
「俺とお前がだ。もう手遅れだろうさ」
「焼いて欲しかったのか?」
「どこをどうしてそうなるんだ」


17. 初体験(ナム高ナム)
「あーあ、すっかり傷物にされちゃったよ。責任とってくれるんだよね?」
「格闘家なら顔に傷付いたくらいでピーピー言うなよ」
「お前本気で脳筋なんだな」


18. 仕事(坂おぼ)
「その命令は、聞きかねます」
「意外と立場の解っとらん子じゃき」
「ならば言わせて頂きますが!
 どこの世界に、昨日の下着の提出を命じる主が居るのでござるか!?」
「ここに」


19. 化粧(妙子とアキラ)
ほんとはさ、泣くと思ってたんだ。だってあの日、妙子は最後まで泣いてたから。
でも、泣かなかった。
灰になって煙になって、カオリとかカズが泣き叫んでも、妙子は泣かなかった。
本当の最期では、松に涙で崩れた顔を見せなかったんだよ。


20. 怒り(プラオル)
ああ、この迷宮に住まう全ての亡者を痕跡すら残さずに消し去ってしまいたい。
それは最早あの方の記憶すらも白く染め上げたい程に。


21. 神秘(天おぼ)
「貴方が此処にいる。私が此処にいる。これはまさに神が与えたもう奇跡ですよね!」
「むぅ」
「おや、貴方がこんなに素直だなんて神は奇跡の大安売りでも始め――
 やめて下さい刺されようが塩撒かれようが死にはしませんが成仏します!」
「死と成仏の境界は何処に?」


22. 噂(アニーとマッド)
「ぱったり聞かなくなったねえ、キッドの話」
「俺ですら掴めねえんだ、海でも越えちまったんじゃねえのか?」
「その前に、地に足着いてんのかねえ」


23. 彼と彼女(オルアリ)
博愛主義。何に対してもまっすぐで、いつだって平等。
彼にとって、彼女は初めての特別な存在だった。かけがえのない何かだった。
つまりは、彼にとって『唯一無二の友』は『特別』ではなかったのだ。


24. 悲しみ(ヒューイ)
僕が悲しいのは心代わりなんかじゃなくて、
君が離れていくのが止められなかった自分の弱さなんだ。


25. 生(天おぼ)
今を生きる者を拐かす罪は甘んじて受けよう。
しかし、我が父たる神にもその罪の一端がある。
何故、彼と私を同じ時代に生かしてくれなかった?


26. 死(心山拳師範)
後ろには3つの屍がついて回る。
けれど物言わぬ彼らの強さを、そして心を示す為にも、振り返る訳にはいかなかった。
継承者の名に恥じぬように。連綿と、この教えを繋げるために。


27. 芝居(ストオルスト)
「俺たちは親友だろう?」


28. 体(ユンとおぼろ丸とアキラ)
「いいなぁ、高原さん。僕も、あとちょっと身長があればなぁ……」
「ユン殿はまだ伸びるあてがあろう、拙者に到っては……むぅ」
「あー、安心しろ安心。いい物食ってる俺はともかくお前らは二人揃って手遅れだから」
「おぼろ丸さん、僕が許すんでそこの人刺しちゃって下さい」


29. 感謝(プラオディ)
酷く冷たい眼差しで鎧人形を踏みつけながら、あの魔王は言うのだ。

「ああ、これは褒美だ。プラッカーがこれで良いといったからな」

頭のゆるい主を貰ったことに、あの鎧は少し感謝した方が良いんじゃないだろうか。

「ああ、今度からはお前への褒美もこれにしてやろうか?」

全身全霊でいらん。


30. イベント(おぼアキ)
「そろそろ俺たち、『お風呂でバッタリ』とか『事故チュー』とかやるべきだと思うんだよ」
「じ、じこ……ち……?」
「おぼろ丸さん、その人の言うことあんまり真面目に聞かない方が良いですよ?」


31. やわらかさ(アキサモ)
「なぁ、知ってるか? 二の腕の柔らかさって胸の柔らかさと同じくらいらしいぜ」
「って言ってアキラが離してくれないっチ」
「少々待たれよ、今サンダウン殿かキューブ殿をお連れしよう」


32. 痛み(田所兄妹)
私にはお兄ちゃんみたいな不思議な力があるんだろうな。
お兄ちゃんが苦しいとき、お兄ちゃんが辛いとき、私も苦しい。辛いの。
だから痛いのも苦しいのも辛いのも平気。
この苦痛は病気のせいなんかじゃなくて、お兄ちゃんがくれたものだから。


33. 好き(オルストオル)
「好きだ」
「うん、私も大好きだよ」
「……はぁ」
「へ?」

「好きだよ」
「はいはい」
「……あー、うー」
「ん?」


34. 今昔(いまむかし)(アキラ)
帰ってから昔のプロレス雑誌をひっくり返してみたが、知った名前は何処にもなかった。
心山拳なんて拳法の記録だって残っちゃいないし、坂本竜馬もやっぱり暗殺されていた。
それでも、俺の記憶だけは確かなのだ。


35. 渇き(心山拳ズ)
「レイさん、右から来ます!」
「任せな! はああああッ……だりゃあああッ!」
「決まった!?」
「まだじゃユン、この程度であやつは破れん!」
「だーッ、なんでメシのたんびにこんな騒ぎになるんだよ!」
「サモさんの胃袋、底なしですもんねぇ」


36. 浪漫(おぼアキ)
「お前、なんで毎回毎回俺のマフラーと手袋はそのままにすんの?」
「そういうアキラ殿は何故毎回毎回拙者の靴下を何が何でも脱がさないので?」
「……」
「……」


37. 季節(ポゴべる)
ぽごはさむいさむいせかいでであったひとのことをかんがえました。
だれもいないところでひとりできえたひとのことをかんがえました。
となりでぐっすりねむっているべるがすごくあたたかくて、なんだかかなしくなりました。


38. 別れ(マドキド)
「アディオス」

それは、俺にだけは絶対に投げかけられない言葉。


39. 欲(ユン高)
どんな形でもいい、どんな手立てでもいい。ただ、あの人に近付きたい。
そんな風に考えてしまった自分が酷く恐ろしかった。後ろめたかった。


40. 贈り物(坂おぼ)
「最近おみゃあ、随分ええ刀使っとるなぁ」
「え」
「わしがやった刀、大事にしちょる?」
「な」
「そういえば見とらんなぁ、何処ぞにしまい込んでそれきりじゃあ宝の持ち腐れぜよ」
「う」
「おぼろ?」
「……」
「お ぼ ろ ?」



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